年齢別・寝る前の読み聞かせ — 0〜4歳から9〜10歳まで
同じ絵本を三歳の子と九歳の子に読むとき、変わるのは本ではなく読む側です。どれくらい座っていられるか、どの音をまねしたがるか、何に興味を持つかが違います。年齢ごとに何を変えるとよいかをまとめました。
年齢ごとにどう読み聞かせればいい?
年齢は基準ではなく出発点です。同じ四歳でも状態はかなり違いますし、同じ子でも火曜日は二十分もつのに木曜日は三分でやめます。以下は目安であって、達成すべき目標ではありません。
ひとつだけ覚えるなら、子どもが口をはさめる読み方がいちばん効くということです。黙って最後まで聞く長い一冊より、指さして質問してまねできる短い一冊のほうが残ります。
長すぎる本と短すぎる本で迷ったら、短いほうを二回読んでください。くり返しは無駄ではなく、ことばが定着する仕組みそのものです。
0〜4歳にはどう読めばいい?
この時期は筋よりも音です。擬音や繰り返しがあって、一ページに一文くらいの本のほうがよく届きます。ページを飛ばしてもかまいません。読み切ることが目的ではないからです。
話の途中で口をはさむのは、邪魔ではなく参加です。毎ページ犬を指さすなら、毎ページ犬の名前を言ってあげてください。そのやりとりが語彙をつくります。
一回三〜五分を一日に何度か、のほうが長い一回より向いています。四分で立ち上がる二歳児は、年齢どおりのことをしています。
5〜6歳にはどう読めばいい?
話に骨組みが見えてくる時期です。始まりと問題と結末をたどれるようになり、次に何が起きるかを予想し始めます。結末の手前で止めて「どうなると思う?」と聞くのに向いています。
「なぜ」の質問がおもしろくなるのもこの頃です。「どうして怒ったんだと思う?」は「帽子は何色だった?」よりずっと話が続きます。
文字や自分の名前に気づき始めます。題名を指でなぞるくらいはよいのですが、読み聞かせを読みの練習に変えてしまうと、本そのものを嫌がるようになりがちです。
7〜8歳にはどう読めばいい?
自分で読めるようになる子が増えますが、だからこそ読み聞かせを続ける価値があります。聞いて分かる力は読んで分かる力より数年先を行くので、自分では読めない本も聞けば理解できます。
章立ての本が向いています。一晩一章にすると続きができ、明日また開く理由になります。昨日の話を思い出して話すのは、記憶とことばの両方の練習になります。
登場人物に文句を言わせてあげてください。「それはずるい」と言う子は、読書でいちばん期待していることをしています。
9〜10歳はいつから一人で読ませる?
読み聞かせから一人読みへ、ではなく、読み聞かせから一緒に読むへ、が自然です。段落や章を交代で読むと、負担を全部渡さずに共有の時間が残ります。
一人で読めるのに読まなくなった場合、原因は習慣ではなく本の難しさか、選ぶ自由のなさであることがほとんどです。自分で選んだやさしい本のほうが、勧められた難しい本より続きます。
この年齢で読み聞かせを続けるのは幼い扱いではありません。話すことが減っていく子と、毎日十五分の会話を保つ最も簡単な方法です。
年齢に関係なく効くことは?
時間が決まっていることです。毎日同じタイミングにするだけで半分は終わります。子どもは次に何が来るか分かっていれば、交渉する必要がありません。
声が変わることです。緊迫した場面で声を落とし、結末の手前で速度を落とす。あとからの説明よりも理解を助けます。
同じ本を何度でも読めることです。二十回目をせがむのは執着ではなく、次に進む前に自分のものにしている途中だということです。
よくある質問
- 一日どれくらい読めばいいですか。
- 長さより回数で考えるほうが役に立ちます。日曜に三十分より、毎日五分のほうが、特に五歳までは効きます。
- 二分で立ち上がってしまいます。やり方が悪いのでしょうか。
- たいていは問題ありません。四歳くらいまでは短い集中が普通です。本を開いたまま少し読み続けていると、戻ってくることが多いです。
- 自分の母語でない言語で読んでもいいですか。
- かまいませんが、いちばん得意な言語のほうが抑揚も間も豊かになるので効果は高くなります。別の言語に触れさせたいときは、無理に読むより歌や音声のほうが向いています。
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